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地域医療
株式会社メディカル・プリンシプル社
事業戦略室 参事役
木村 秀樹
弊社民間医局エージェント、弊社名古屋支社長、東北大学大学院医学系研究科 地域医療システム学(宮城県)寄附講座助教(出向)を経て現職。医師確保に悩む医療施設、地方自治体からの相談業務を担当。
医師の需給問題に関する整理(2)~医師不足は今後も続く
前回では、医師不足の因を求める議論は(1)国のマクロ需給政策、(2)人員配置の効率性、(3)業務分担の効率性、(4)医師の有資格者数を増やしても労働投入量が昔ほどに増えない、以上の4つに大別出来ることを述べました。今からこれらの議論をそれぞれ検証したいと思いますがその前に、読者の皆さまが一番気になさることは「医師不足は今後も続くのか」であろうかと思います。本コラムは医師や医療機関の皆さまに実践的に役立つことを目指しておりますので、先に結論から申し上げます。私は「医師不足は今後も続く」と見ております。
なぜ、そのような見方をするのか、上の4つの議論に合わせて簡潔に説明致しますと、
- (1)
- 医師需給は好転しない(マクロ需給政策)
- (2)
- 医師の再配置は既に相当進んでいる(人員配置の効率性)
- (3)
- 医師の一部業務を担う人材の数も不足している(業務分担の効率性)
- (4)
- 医師は過重労働が常態化しており、医師数を多少増やしても過重労働の解消に相殺されて、
医師数の増加と比例して労働投入量は増えない
と考えるからです。
これらはつまり、労働市場においては医師の売り手市場が続き、地域及び病院間で限られた医師を奪い合う不幸な構図は変わらず、医師が集まる地域や病院においては医師の過重労働がある程度緩和される可能性があるものの、それ以外の地域や病院においては相変わらず人手不足により医師の過重労働と応需能力の低下が続くと言うことです。
2008年6月、政府は医師のマクロ需給政策を「抑制」から「増員」へ、1982年の閣議決定以来続いていた方針を転換して医学部の定員を増やす決定を行ないました。読者の皆さまの中には、「医師はこれから増えるのに、今のように医師不足が続くとは思えないなぁ…」とお考えになる方もいらっしゃると思います。しかし、今回の施策では量的に不十分で、医師不足の解消には一層の増員が必要であると私は見ております。次回はこれについて述べたいと思います。

