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理事長のご挨拶
社会保険病院、厚生年金病院は、独立行政法人「地域医療機能推進機構」へ
新たな発展への第一歩を踏み出します。
全国社会保険協会連合会(以下、全社連)は、全国にある社会保険病院、厚生年金病51施設、病院に併設する28の介護老人保健施設及び看護専門学校の経営を受託してきました。
平成14年以来の懸案であった社会保険病院等の新たな受け皿についての法律案は地域医療の確保を訴える声が高まる中、2011年6月に独立行政法人「年金健康保険・福祉施設整理機構」(RFO)を改組した「地域医療機能推進機構」に管理運営させ地域密着型の病院として存続させるという法案が可決・成立しました。長年方向が定まらなかった病院の将来の形態について方向が定まり、私たちは新たな発展のスタート地点に立ったと思っています。

厚生労働省、RFO、厚生年金病院を経営する厚生団等関係者と協議をし、地域医療を担い、医師、看護師等職員が安心して働ける新たな組織作りに、全社連としても全グループ一丸となって推進していく覚悟です。
個々の病院が裁量権を持つ型は踏襲
社会保険病院は、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」に出資され、譲渡、売却が進められる方針でしたが、その方針が見直され、「地域医療機能推進機構」が保有し運営する地域医療を担う公的病院グループとして発展していくこととなりました。
法律にも明文化されている通り、5事業(救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療)、リハビリテーションその他地域において必要とされる医療及び介護を提供する機能の確保を図るとなっています。新独法では社会保険病院と10の厚生年金病院が1つの病院グループになります。
新たな病院グループの運営をどの様な仕組みで行うかは大変重要な課題でこれから関係機関と協議をしていきますが、人事、給与体系等については全社連ではこれまで、本部の権限を出来る限り小さくし、各病院の院長の裁量に委ねてきましたが、新しい組織でも病院経営に適した仕組みとはどのような仕組かを念頭に置いて、体制を構築していきたいと考えています。
方向性が明確となり、全職員の期待と意欲も上昇
今回、独立行政法人「地域医療機能推進機構」へ移行することが明確となり、グループ全体でも医師、看護師等の確保の面でも変化が表れてきています。5月1日現在で、医師については常勤・非常勤で前年比約85名増加しており、看護師については約250名増加しています。
これは、安定的な受け皿に移行することが明確となり、社会保険病院を働く場所として安心して選択することが出来るようになったということと思います。3年以内の新独法への移行に向け、各地域でどの様な医療が必要とされているかを的確に判断し、ニーズに対応した診療体制を作る努力をしてまいります。
グループの共同事業の柱の一つが研修事業による人材育成
全社連では、各病院が単独で実施することが難しい事業をグループ全体で共同事業として取り組んでいます。
そうした取り組みの一つが、医療関係各職種の研修事業です。

たとえば、新医師臨床研修制度の導入時には、独自に指導医養成研修コースを開始し、研修指定病院の指導体制の整備に対応しました。また、看護師の研修を専門に行う「社会保険看護研修センター」を設置して採用後の看護師教育に取り組んでいます。
看護研修センターでは、糖尿病看護学科、がん性疼痛看護学科の2つの認定看護学科のコースをはじめ、看護管理のセカンドレベル、サードレベルコース等病院現場のニーズに対応するコースを開設しています。
新人看護師の臨床研修は平成22年に保健師助産師看護師法の改正により努力義務規定となりましたが、社会保険病院グループでは法改正前の平成18年よりグループとして取り組んできました。ヒヤリハットの減少、離職率の減少等の効果が検証されています。
成果を上げる共同研究
全社連が取り組んでいる共同事業の一つとして、共同研究事業があります。
病院グループとしてまたは医療界の共通の課題に対して、グループ内の病院が研究班を編成し共同で研究を行っています。これまでいろいろな課題に取り組んでまいりましたが、最近の特筆すべき研究成果のいくつかをご紹介します。
特定健診・保健指導の制度化を念頭に置いて、糖尿病の境界域の人に対する保健指導により糖尿病への進展をどの程度阻止できるかというテーマに取り組みました。社会保険病院の各健康管理センターの医師、保健師、管理栄養士等の3年間にわたる成果が英文の論文にまとめられ、Arch.Int.Med.に採択されています。
また、医師の過重労働が問題となり、医師以外の職種でも出来る業務を出来るだけ医師以外の職種が対応する体制を整備すべきということが課題となりました。社会保険病院グループでは医師がどの様な事務作業にどの程度時間を割かれているか実態を調査し、厚生労働省に提出しました。この社会保険病院グループの共同研究がきっかけとなり、2008年の診療報酬改定で「医師事務作業補助体制加算」が制度化されました。
現在進行中の共同研究としては、東北厚生年金病院の田林晄一院長を主任研究者とした「新しいチーム医療体制確立のためのメディカルスタッフの現状と連携に関する包括的調査研究」を編成し、周術期における看護師の業務拡大の可能性を探るべく研究を行っています。
また、星ヶ丘厚生年金病院の杉本壽院長を中心とする、院内で発生した心肺停止症例を検証し、その結果に基づく院内教育プログラムの開発を目的とした、共同研究事業もスタートしました。

最後に、社会保険病院グループは厚生年金病院グループ、船員保険病院グループと共同で「社会保険医学会」を開催しており、2011年12月には福岡市で第49回目の学会開催を予定しています。
本学会の特徴は、医師、看護師をはじめ多様な医療関連専門職種及び事務職員も参加する学会であることです。今年の学会のテーマは「災害に学ぶ」です。
医師が安心して、医療に専念できる体制づくり
私たちは、地域の患者さまに選ばれると共に、医師がこの病院で働きたいと思われるような病院づくりを重視しています。
中でも、患者安全は最も重要なテーマで、全社連は様々な取り組みをおこなっています。横浜市大での医療事故がきっかけで医療安全対策が大きな社会問題となりましたが、2001年に全社連は「医療の安全対策マニュアル」を作成しました。
2008年にはハーバード大学の医学部関連病院の医療事故対応指針の精神を取り入れた『「医療有害事象・対応指針」~真実説明に基づく安全文化のために~』を策定し、グループとして取り組んでいます。「医療は安全を目指さなければならない」「医療は患者本位でなければならない」基本理念に基づくこうした指針を全グループで共有し、患者と医師双方が納得きる医療の実現に向けて日々努力を続けております。
このように全社連では、グループの特性を生かした多様な取り組みを通じて、医師が安心して働ける環境や患者に安全な医療を提供する病院づくりをすすめて参りました。そして、3年後の独立行政法人「地域医療機能推進機構」への移行に向けて、地域医療推進の担い手としての役割にお応えできるよう一致団結してその準備にあたっております。社会保険病院は地域医療の発展に貢献していただける、意欲あふれる医師を歓迎しております。
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E-mail:zensharen@medical-principle.co.jp
※全社連の全病院は、問い合わせ窓口業務を(株)メディカル・プリンシプル社に代行委託しております。本件に関わる個人情報は、(株)メディカル・プリンシプル社の プライベートポリシーに則り、適切な取り扱いと厳正な保護に努めます。


