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赤ひげ先生インタビュー<br /> 高尾 碧先生

島根県立こころの医療センター 高尾 碧先生

『赤ひげバンク』がさまざまな課題の調整役に。
島根県初の医療観察法病棟の立ち上げにも関わる、
精神科医師としての大きなやりがいを実現。
<略歴>

島根県雲南市出身。2009年に島根大学医学部を卒業後、島根県立中央病院にて初期臨床研修、後期研修(精神神経科)を行い、司法精神医学を学ぶため2014年から佐賀県の国立病院機構肥前精神医療センターにて研鑽を積む。
2017年4月より、島根県立こころの医療センターに赴任し、医療観察法病棟(※2017年内に開設予定)の立ち上げにも関わっている。

『赤ひげバンク』に登録・相談したきっかけ

「赤ひげバンク」には、大学卒業の時に、色々な情報発信や支援をしていると聞いて登録しました。「赤ひげバンク」は、島根県の医師確保対策室の先生方が県外に直接出向いて医師招へいに動いておられると聞いていましたし、実際に2002年から2016年までに149名もの医師が「赤ひげバンク」を通して島根に赴任されているのはすごいと思いますね。登録当時、私自身は機関紙である「島根の地域医療」やネット上で島根に赴任された先生方の声をよく目にしていた位ですが、島根県立こころの医療センターにUターンで戻る際に相談に乗って頂きました。

『赤ひげバンク』は、島根県全体の大きな医局となる存在

島根大学を卒業後、初期臨床研修も後期研修(精神神経科)も島根県立中央病院で行い、その後、司法精神医学を学ぶために、九州大学大学院の精神病態医学に籍を置きながら、佐賀県の国立病院機構肥前精神医療センターで勤務しました。月に1,2回は島根県立中央病院精神神経科の診療支援も続けていました。 その時に、研修医時代に指導をして頂いていた当時の精神科の部長、現在は島根県立こころの医療センターの小林孝文病院長から「島根県に医療観察法(心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)の指定入院施設を作るので、ぜひ一緒にやらないか」と声をかけて頂いたのです。何十万人いる医師のなかでも滅多に立ち会う事ができないチャンスですので、是非お手伝いしたいとお受けしました。

ただ、当時は県外の大学院生でもあり、別の県で働いていました。医療観察法病棟を立ち上げる整備要件も満たさなければならないなど色々な制約がある中、私のように地元の大学へ入局することなく県外に出た医師たちは、たとえ島根に戻りたいと思っても医局を頼ることはできません。その時に相談に乗って頂いたのが、赤ひげバンクでした。

初期研修医時代に研修支援資金を受けた時にもお世話になった県健康福祉部の医療統括監の木村清志先生や県の職員の方々が、赴任のための準備や病院との交渉をはじめ、さまざまな課題をクリアするために、各所での勤務調整をして頂き、私が少しでもいい環境で働けるよう動いてくださり、誰と話をするといいのかといった細かいことまで教えて頂きました。おかげで、「そもそもどこに相談したらいいかわからない」という根本的な悩みは全くなく、本当に感謝しています。 医局入局が必須ではない世代にとっては、医師一人ひとりの希望にマッチする医療機関の紹介はもちろん、様々な相談に乗って頂ける島根県全体の大きな医局となる存在だと思いますね。

医療観察法病棟の立ち上げの経験を活かし、
島根県の精神科分野を牽引していきたい

赤ひげバンクのおかげで無事、島根県立こころの医療センターに赴任し、現在は臨床と並行しながら、島根県初となる医療観察法病棟の立ち上げに日々奮闘している毎日です。 開棟準備は膨大な時間がとられます。精神保健福祉法と医療観察法はそもそもの法律が違いますし、医療観察法病棟の入院治療を知っている医師も少ないのが現状です。みんな知らない中で僕もプロではないけれど、リーダーシップをとらなければならないのは本当に大変です。ただ、他職種の方々と今まで島根県になかったものを一から作ることや自分たちが必要だと思うものを取り入れて準備できることなど、大きなやりがいを感じ、とても貴重な経験をさせて頂いていると実感しています。

島根県には、1965年から続いており、現在も2ヶ月に1度開催されている精神科医の懇話会があり、若手医師から経験豊富な医師が参加して医師同士の密なネットワークが築かれています。また、島根県は有床の総合病院精神科の数が全都道府県のなかでトップ5にあり、精神科病床がない病院には精神科医師の派遣による外来や、内科や外科で精神疾患の対応に苦慮している病院へ支援を行うなど、精神科医の存在意義は大きく、活躍できる場も非常に多いと感じています。

そんな中で、「島根県立こころの医療センター」は、ハード面から総合病院で診ることが困難な患者さんをはじめ、重症患者さんの受け皿となっている病院であり、精神科分野では島根県の中核病院・基幹病院としての役割を担っています。医療観察法病棟の立ち上げをきっかけに、今まで医療が行き届かなかった部分を補うための準備を推し進めていきたいと考えています。医療観察法病棟の立ち上げで得られることは大きく、スタッフのスキルアップはもちろん、精神保健福祉法にも活かしながら、地域における精神保健医療福祉サービスとの連携をさらに充実させ、島根のこの分野を牽引するのに"頑張らんといけんな"と思っています。

Uターンを実現
島根とつながる大きなネットワーク

若い医師のなかには、県外/国外で専門技術や知識を高めたいと考えている方や、私のように地元の医局に入ることなく県外に出ている医師もいると思います。しかし、「一度、県外に出てしまったら帰ることが難しい」と県外に出ることも戻ることも諦めてしまう人や、既に県外に出ている人でも地元とのつながりが感じられなくなった時に、「もう、帰らなくてもいいか」と諦めてしまうこともあると思いますが、僕の場合、2002年から続いているネットワークがかかわり続けてくれたおかげで安心してUターンを果たし、地元、島根県で精神科医療に従事しています。

島根県には県全体の大きな医局のような存在の『赤ひげバンク』がありますので、ぜひ登録してください。一人ひとりの個性と能力を活かしながら、島根県で自分のしたい医療を実現できる支援が受けられると思います。

取材・撮影日2017年5月

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