海外

[米国留学奮闘記 第2話] テキサス州ヒューストンでの生活
井上 彬

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大阪大学 外科学講座 消化器外科学
井上 彬

家族と共に慌ただしく渡米し、テキサス州ヒューストンでの生活が始まりました。第2回では、ここでの留学生活とMDアンダーソンがんセンターについてご紹介します。

● 生活のセットアップに奔走

筆者(左)。Cancerに赤の 取り消し線が掛かっているの は「がんを撲滅する」という 決意の表れを意味している

筆者(左)。Cancerに赤の取り消し線が掛かっているのは「がんを撲滅する」という決意の表れを意味している

渡米してからの2週間は、銀行口座の開設に始まり、住むアパートや電気・インターネットの契約、自家用車や家財道具の購入、ソーシャルセキュリティー番号や自動車免許の取得などに奔走しました。事前に準備をしたつもりでしたが、日本からの送金手続きがうまくいかなかったこと、準備していた携帯電話がつながらなかったこと、自動車保険の加入の手違いなど、トラブルの連続でした。日本とは全く違うシステムの中で、聞き取りにくい南部なまりの英語を話す相手に対して、私の拙い英語でやり取りしたことは、今となっては良い思い出です。

● テキサス州ヒューストンについて

テキサス州といえば、荒野を走るカウボーイ、米国南部の保守的な街、などをイメージしていましたが、こちらで実際に生活してみると見方は大きく変わりました。

ヒューストンは、人口200万人を超えるテキサス州最大、全米第4の都市です。1900年代に油田が発見されて以降、石油精製産業の街として繁栄し、NASAを中心とする宇宙航空産業の街としても有名です。近年では、テキサス医療センターと呼ばれる世界最大級の医療研究施設の集積地としても知られています。

ここはメキシコとの国境が近く所得税がなく物価も安いことなどから、多くの移民が移り住んでいます。特にヒスパニック系住民の割合は白人よりも多いためか、外国人に対する差別感はなく、フレンドリーな印象を受けます。

街の至るところで、道路や超高層ビルの建設が行われており、エネルギー・ビジネス都市として急成長していることを肌で感じます。一方、公共交通機関は発達しておらず、どこへ行くにも車での移動になります。片道7車線以上もある巨大ハイウェイを猛スピードで走る車やトラックの大群の中を運転するのは一苦労です。中心街から郊外に出ると、どこまでも続く大平原が広がり、その雄大な自然には圧倒されてしまいます。

● アパート周辺の大洪水

ヒューストンの気候は亜熱帯で、5月現在の昼間の気温は30度を超える日が続いています。夏季シーズンになると、突発的な雷雨やハリケーンも多く、私も記録的な豪雨に見舞われ、アパート周辺の大洪水を経験しました。街の排水設備は不十分と言わざるを得ず、少しの雨ですぐに道路が冠水してしまいます。

● ヒューストンでの生活

ヒューストンは、スポーツや芸術の街としても知られています。野球はアストロズ、バスケットはロケッツが有名で、気軽に観戦を楽しめます。芸術では、特にヒューストン・グランド・オペラは有名で、芸術には疎い私ですが、本場のオペラを楽しみました。

週末には、車で大型スーパーに買い物に出掛けます。スーパーはけた違いに広く、食材の種類も非常に豊富です。支払いに現金を使用することは滅多になく、完全なクレジットカード社会です。テキサス州は銃に対する規制が緩く、スーパーで簡単に銃を購入できます。実際に、私の住むアパート近隣でも銃による発砲事件が何度かあり、大きな社会問題となっています。

● MDアンダーソンがんセンター

ダウンタウンから7kmほど南下すると、MDアンダーソンがんセンターを中心とする高層ビル群が見えてきます。MDアンダーソンがんセンターは、がんの撲滅をミッションに掲げ、1941年に創設されました。現在では、がん医療分野では全米No.1施設に選出されており、全米のみならず全世界からがん患者が集まります。医療提供に加えて、医学研究や教育施設としても有名で、がん医療に携わる医師や研究者が世界中から集まる施設です。また、テレビCMやチャリティーイベントなどを通じて、ヒューストン市と一体となってがん医療をサポートする姿には感銘を受けました。

渡米して2ヶ月が経過し生活にも慣れてきた頃に、ようやく私の研究テーマも決まりました。さて、これから本腰を入れて研究に取り組むと同時に、悪戦苦闘する毎日の始まりです。

※ドクターズマガジン2017年8月号に掲載するためにご執筆いただいたものです。

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