医師のワークスタイル

USMLE勉強法(2)

消化器内科医 秋山 慎太郎。IBDフェローとしてアメリカ挑戦 研究と臨床の両立

2019年7月からシカゴ大学のIBDフェローとしてIBD(炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎やクローン病)の研究と臨床に従事されている消化器内科医・秋山 慎太郎先生がお届けする、米国留学までの準備と現在。

「IBDフェローとしてアメリカ挑戦 研究と臨床の両立」


私のUSMLE受験

勉強

米国で医師としてトレーニングを受けるには、まず米国の医師資格試験であるUSMLEにパスしてECFMG certificateを取得、マッチング資格を得る必要があります。

私はUSMLE Step 3をパスするまでに約8年を要しました。Step 2 CKからCS受験までの間は内科と消化器内科研修に専念していたこともあり、時間が許されるときに英会話学校に通い、ほそぼそとCS対策をしていました。研修が忙しかったこともあり、モチベーションの維持が難しい時期でもありました。

参考までに私のStepごとの合格時期とスコア状況を紹介します。

Step 1 2009年10月、医学部6年生の時に受験し合格。スコアは当時の99(現在2桁スコア制は廃止)。
Step 2 CK 2010年3月、日本医師国家試験終了後に受験し合格。スコアは平均をやや下回る得点。
Step 2 CS 2015年9月、東京医科歯科大学大学院在学中にシカゴの試験場で受験し合格。
Step 3 2017年6月にグアムの試験場にて受験し、合格点ギリギリでなんとかパス。

各Stepの受験にあたり、みなさんもNBMEUWorldの模擬試験を受けることになると思いますが、いつの時代も、直近に受験した方々の情報は非常に有用です。「USMLE Forum」や、日本の医学生や医師の受験体験記はとても参考になると思います。特にUSMLE Forumでは各受験生が模擬試験とUSMLEの実際のスコアを提示しており、私も模擬試験を受けた際によく参考にしました。

次は、Stepごとにおすすめする参考書などの情報をお伝えします。私は10年前に試験を受けたので古い情報もありますが、それぞれご自身で検索し、アップデートしてください。


Step 1

Step 1は基礎医学とそれに絡んだ臨床医学の知識を詰め込むため、医学生の時分に受験をするのが有利と考えます。それは時間に自由が利き、授業の基礎知識が試験に活かされるからです。高得点を狙うのであればなおさら、勉強時間の確保という面からも、研修医や専修医の時点で受けるのはあまりおすすめできません。

「First Aid for the USMLE Step 1」や参考書は読破する感じではなく、問題を解きながら、キーとなる「図」を参考に暗記をしていきました。「図」として知識を定着させることが、瞬時に問題を解く上で大切だと思います。

分野別おすすめの参考書

生化学、微生物学、薬理学、免疫学
「Lippincott Illustrated Reviews Series」は図がきれいで、分かりやすい。Step 1, 2を取得するときに役立ちました。日本語版も出版されていますが、英語で勉強することをおすすめします。私は「Lippincott Illustrated Reviews Series」の重要な図をコピーしてファイリングしました。今は「First Aid」がカラーですが、昔は図が豊富でなかったため、自分なりの勉強ノートを作成しました。

<参考書/出版元>
First Aid for the USMLE Step 1 / MCGRAW-HILL EDUCATION
Lippincott Illustrated Reviews: Biochemistry / LWW
Lippincott Illustrated Reviews: Microbiology / LWW
Lippincott Illustrated Reviews: Pharmacology / LWW
Lippincott Illustrated Reviews: Immunology / LWW

生理学と行動科学
これらの分野は「BRS Behavioral Science」「BRS Physiology」がよくまとまっていると思います。付属の問題もすべて解きました。生理学は、「生理学テキスト」も適宜、参考にしました。

<参考書/出版元>
BRS Behavioral Science / LWW
BRS Physiology / LWW
生理学テキスト / 文光堂

解剖学
「イラスト解剖学」は一通り目を通し、重要な図はファイリングしました。「骨単」シリーズで解剖用語を英単語として記憶しました。

<参考書/出版元>
イラスト解剖学 / 中外医学社
骨単・肉単・臓単・脳単 / NTS

病理学、組織学
「ロビンス基礎病理学」は分厚いので全て読破することはしていません。重要な図だけをコピーしてファイリングし、覚え込むようにしました。

<参考書/出版元>
ロビンス基礎病理学 / 丸善出版

その他
大学の授業で渡されるプリントや授業ノートはばかにできないと思います。分かりやすいプリントなどはファイリングしました。ファイルは最後には10cmくらいの分厚さになってしまい、持ち運びが大変でした。今ではiPadなどに全情報を取り込めるので、勉強用ノートの作成には、各種メディアを有効活用するとよいと思います。

問題集
まず「First Aid Q & A」と「Kaplan Q book」を一通り解いてから、オンライン問題集「UWorld」と「Kaplan Q bank」をそれぞれ2周しました。また、First Aidの準拠したオンライン問題集「USMLE Rx」は1回だけ解いています。問題を解きながら、ファイリングしたオリジナルノートに各問題の解説の要点を書き込んでいきました。「First Aid」に直接書き込む人も多いと思います。

<参考書/出版元>
First Aid Q & A for the USMLE Step 1 / MCGRAW-HILL EDUCATION
Kaplan Medical USMLE Step 1 Q book / Kaplan

<プロフィール>

秋山 慎太郎

秋山 慎太郎(あきやま・しんたろう)

2000年4月- 電気通信大学量子物質工学科入学(工学学士)
2004年4月- 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻(理学修士)
2006年4月- 弘前大学医学部医学科(3年時へ学士編入)
2010年4月- 虎の門病院内科研修開始
2014年4月- 東京医科歯科大学消化器内科入局
同年- 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科に入学(医学博士)
2018年4月- 東京医科歯科大学消化器内特任助教
2018年11月- 渡米
2018年12月- シカゴ大学Postdoctoral scholar
2019年7月- シカゴ大学advanced IBD fellowship


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