医師のワークスタイル

IBDフェローとして研究と臨床を両立することの意義(4)

消化器内科医 秋山 慎太郎。IBDフェローとしてアメリカ挑戦 研究と臨床の両立

2019年7月から、シカゴ大学のIBDフェローとして、IBD(炎症性腸疾患: 潰瘍性大腸炎やクローン病)の研究と臨床に従事している消化器内科医・秋山 慎太郎先生に、留学準備から現在の様子までを紹介いただいています。

IBDフェローとしてアメリカ挑戦 研究と臨床の両立


IBDフェローとは?

研究

この7月から、シカゴ大学にてIBDフェローシップが始まりました。このフェローシップは、国を問わず、内科、消化器内科専門医資格をもつ医師を対象とした、米国のIBD専門医育成プログラムです(卒後7年目相当)。
米国は“IBD先進国”といえるほどIBD患者数が多く、シカゴ大学以外でもIBDフェローを採用している大学があります(参考1)。日本の消化器専門医でECFMG certificateを保有していてIBD専門医を目ざす方には、一つの留学プランだと考えます。

シカゴ大学IBDフェローシップでは、研究に専念できる期間が確保されています。IBDフェローは、IBDに特化して診療を行うため、患者検体へのアクセスが良いと言えます。その利点を活かして、私は、大腸内視鏡検査で得られた生検検体、手術により摘出された腸やリンパ節などの検体を用いた研究を行います。

日本では内視鏡治療などと比較すると、IBDは未だ比較的ニッチな分野かもしれません。ただ、重要なこととして、IBD患者数は、日本を含むアジアで著明に増加しているにもかかわらず(参考2)、その原因は未だ明確ではなく、さらなる研究が必要です。さらには、日本でも数々の新規生物製剤がIBD治療薬として承認されてきており、診療に高い専門性が要求されます。以上のことから、日本でも将来、IBDフェローシップの必要性が出てくるのではないかと感じています。
IBDの診療や研究に興味のある先生方に、私のキャリアや記事が少しでもお役に立てればと思っています。


今後の活動

留学は医師としてのキャリア形成に必ずしも必要ではなく、留学の経験が将来のキャリアに活きるかは本人次第だと思います。結局は自己研鑽の部分がかなり大きく、その面では、IBDの今後の研究・診療において、留学は有用な一手段ではないかと感じております。

私は、大学院での分子生物学的な実験の経験から、IBD臨床検体を用いた基礎的な研究に興味を持つことができました。繰り返しになりますが、IBDの原因は明確ではなく、その解明には研究が必須です。臨床医がIBD患者の診察をもとに適切な検体を選別し、自分でピペットを握り研究していくことは、カルテ情報のみを参考に検体を回収して研究するよりも、より病態に迫り、臨床での疑問に即した有意義で有用な解析につながるのではないかと信じています。

また、今後IBD診療や研究を通して社会貢献していきたいというのが私の夢であり、同じような目標を持つ先生方と協力して、IBDの患者さんによりよい医療を提供できるよう、また社会的にIBDの患者さんがよりよく生きていけるよう努力していきたいと考えております。

» 留学体験記(活動報告)掲載日未定


<参考1>
The rationale and growth of advanced training in inflammatory bowel disease.
Rubin DT Gastroenterology 2015; 148: 696-700.
DOI:10.1053/j.gastro.2015.02.036

<参考2>
潰瘍性大腸炎(難病指定センターの情報
クローン病(難病指定センターの情報

<プロフィール>

秋山 慎太郎

秋山 慎太郎(あきやま・しんたろう)

2000年4月- 電気通信大学量子物質工学科入学(工学学士)
2004年4月- 京都大学大学院理学研究科生物科学専攻(理学修士)
2006年4月- 弘前大学医学部医学科(3年時へ学士編入)
2010年4月- 虎の門病院内科研修開始
2014年4月- 東京医科歯科大学消化器内科入局
同年- 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科に入学(医学博士)
2018年4月- 東京医科歯科大学消化器内特任助教
2018年11月- 渡米
2018年12月- シカゴ大学Postdoctoral scholar
2019年7月- シカゴ大学advanced IBD fellowship


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