医師のワークスタイル

Dr. Toshiのアジアで7年間外資系病院の臨床医として働いて分かったコト(5)

MediGateは民間医局コネクトとしてリニューアルしました。
>>>民間医局コネクト WEBサイトはこちら

はじめまして。ベトナムはホーチミン市にあるRaffles Medical Groupで、総合診療医とBusiness Development Consultantを兼任して働いている中島 敏彦です。Business Developmentは日本でいうところの事業開発部にあたります。

まえがき

この記事を書いたのは日本がまだ“ビフォーコロナ”だった2019年末でした。”ウィズコロナ”の時代の始まりとともに、世界の在り様が日々大きく変わってきています。このような時代の中で、我々医療者のキャリア形成の在り方は大きく変わるでしょう。医師の働き方はどうなるのか? パラレルキャリアを持ったほうがよいのか? 医局に所属していたら生き残れるのか? 遠隔診療はどの程度普及するのか?

アフターコロナの時代に医療界がどうなっているのか、全く想像がつきません。もしかすると、何が起こるか分からない海外にわざわざ働きに行くことを考えること自体、正気の沙汰でなくなっているのかもしれません。

しかしこのウィルス恐慌の時代になるずっと以前から、海外の民間企業でキャリア形成していくには、常に周囲の状況やニーズに合わせて自分を最適化させることが求められていました。「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ」ということです。おそらくこれからの日本でも、このようなスキルが必要になることでしょう。

この記事を読んでくださっている方々が、新しい時代の中で役立ちそうなアイディアを私の経験の中から見つけてくだされば幸いです。


外資系医療機関での働き方と海外でキャリアを形成 – ②

前回【外資系医療機関での働き方と海外でキャリアを形成 – ①】ではとにかくクビにならないことの重要性と、私がこれまで実践してきた戦略をお伝えしました。

前回まとめ

  • 利益をもたらすことができる医療者であり続ける
  • 常に「クビにされたらどうするか」を考える

今回は「キャリアプランの組み立て方」について考えます。前回触れましたが、外資企業に勤めるということは「常にクビと隣り合わせ」の状態で日常を過ごすということです。クビになるのに明らかな警告はありません。あるのは「あいつ使えねーな」という雰囲気だけです。

「俺、クビになるかもしれない……」なんて思い悩んでいると、ある日いきなりマネージャーの部屋に呼ばれて「チケット取っといたから、この日にこの国を出てけよ。この日以降、事故や犯罪に巻き込まれたりしても、うちのクリニックは関与しねーから」と口頭で伝えられ、同様の文言が入った用紙にきっちりサインをさせられます。あっさりしたものです。因みに私はギリギリで回避したことがありました。外資入社後半年のことでした。今ではいい思い出です。

ここで黙って言われたとおり母国に帰る方もいるのですが、一念発起して別の企業に飛び込む人もいます。むしろ外国人は雰囲気を感じた段階、もしくは見切りをつけた段階で次の職場にアプローチします。というか、「手札(次の就職先)を何枚持てるか」も、海外で生き抜くために大事な能力だと言っても過言ではありません。

これが外資で働くということです。もちろん企業ですから、本人のデキがよくても上司がヘマして潰れることなんかもよくあります。しかも前触れもなく、ある朝突然潰れていたりする話なんかも聞いたりします。いわゆる夜逃げってやつです。

だから毎年、毎月、毎日、どんな時も「次どうするか?」と考えなければいけません。海外では、同じ職場にずっと居続けるのはなかなか難しいです。最近は日本でも難しいですよね、公立病院の再編統合の問題やトヨタ自動車社長の「終身雇用は難しい」発言とかもありましたし。

そうすると連続性を保てるのは「自分のキャリアだけ」ということになります。そもそも医師をはじめとした医療職は数年ごとに職場を変えてスキルアップしていくのが一般的キャリア形成の仕方でしょうから、外資系組織に勤めることは親和性がとても高いと思います。

それではキャリアに連続性を持たせるにはどうしたらよいでしょうか? 私自身も外資系組織で働き始めてからの最初の数年間は「ある日いきなりクビになって日本に帰ったらどこの病院で働こう?」「せっかく海外で渡航医学や熱帯医学ができるようになったのだから、それを活かす仕事がしたい」「1年で日本に帰ったら自分探しの旅をしてきた“イタイ人”扱いでキャリア的にまずいよな」などとネガティブなことばかり考えていました。

結果としては地道に【外資系医療機関での働き方と海外でキャリアを形成 – ①】でお伝えした以下のことをやってるうちに状況が変化しました。

  • 問診力をつけて無駄な検査や治療をしない⇒ 総合診療医としてのスキルを磨き続ける
  • 臨床医としてスキルや専門性などをUpdateし続ける⇒ 病院総合認定医取得、産業医資格更新、渡航医学学会で発表、論文投稿など
  • 正しい情報発信し続けるために現地医療事情に精通する⇒ 情報発信・集患目的にこれだけは是非チェック!!ベトナム進出前・進出後に必要な当地医療事情を公開
  • ベトナム邦人社会に貢献する⇒ 日本大使館、日本領事館との連携、ホーチミン日本商工会議所や日本人小学校での講演会など

そしてこのように活動することによって、外部の方々の目にとまったり人脈ができたりして、ヘッドハンティングされるようになります。つまり「勤務しながら次のキャリアを考えることができる」ようになります。

海外で総合診療医としての実績を持つ日本人医師というのは、実は結構貴重です。もしそのような方で次の就職先を探している方がいらっしゃったら、ぜひRafflesのInternational Departmentにアプライしてみてください。

さて、話を元に戻します。私がキャリアプランを考えるのに特に効果があったのは、情報発信をFBや日本の学会等で続けたことだと思います。今はインターネットで世界中どこにいても情報発信ができるので、余裕がある方はぜひ日本にいる時からやってみるといいのではないでしょうか。

ここまでやれば【外資系医療機関での働き方と海外でキャリアを形成 】に関しては最低限のことはできているはずなので安心です。私は5年かかってようやくこの状態を作ることができました。

これから海外に出る方は、1つの医療機関に居続けることにこだわらず、「海外で3つぐらい病院を渡り歩いた頃に自分の思い描くキャリアプランが達成できてればいい」ぐらいの心持ちで過ごすとちょうどいいかなと思います。

さて次回【外資系医療機関での働き方と海外でキャリアを形成 – ③】は、この最低限のことの一歩先、「職場内での交渉」についてお伝えします。

次回に続く。


Raffles Medical Groupでは、一緒に働いてくれる医師を募集しています。

海外で臨床経験を積みたい、医師として働きたい先生方や海外でのトレーニングにご興味がある医療機関の担当の方は、ぜひご連絡ください。

会社名:Raffles Medical Group
本社:シンガポール
勤務候補地:日本(大阪)、シンガポール、中国(北京、香港、上海、天津、南京、深圳、大連)、カンボジア(プノンペン)、ベトナム(ハノイ、ホーチミン、ブンタオ)、ミャンマーなど
お問合せ先:メール(nakajima_toshihikorafflesmedical.com
もしくは中島 敏彦Facebook

<プロフィール>

中島 敏彦(なかじま・としひこ)
病院総合診療認定医、産業医、泌尿器科専門医

1977年生まれ。秋田大学医学部卒業後、千葉大学泌尿器科、JCHO東京新宿メディカルセンター、静岡県立静岡がんセンターなどで10年間勤務。2013年よりシンガポーのNippon Medical Careで総合診療、熱帯医学、渡航医学などを学ぶ。その後は北京、ハノイでInternational SOSで邦人患者の治療に携わり、2017年からはRaffles Medical GroupのInternational Departmentに所属するホーチミンクリニックで日本人総合診療医/Business Development Consultantとして勤務。
また日本とベトナムの架け橋となるべく、ベトナムにある日系商社Clover plus co.,ltdのアドバイザーとして、日本の医療産業がベトナムに進出するための支援なども行っている。海外勤務歴7年。
新書発売中:グローバル人材に必要なヘルスリテラシー 今注目のベトナムを事例に学ぶ Kindle版


医師の海外留学

医師として海外で勉強してみたい。
そのような強い思いをお持ちの先生は、ぜひ弊社「民間医局」にご相談ください。

医師の海外留学を推進し、積極的にサポートを行っている医療機関や企業などもご紹介しています。海外留学に関する情報をメールマガジンにてお届けしております。
ご希望の方は下記バナーより会員登録(無料)をお願いいたします。

MediGate新規会員登録(無料)

MediGateは、医師向けの勉強会やセミナー情報をFacebookに日々更新しています。 みなさんの情報収集にお役立てください。 当社は「レジナビ」「民間医局」「ドクターズマガジン」を運用している会社です。

MediGate 公式Facebook


Dr. Toshiのアジアで7年間
外資系病院の臨床医として働いて分かったコト


››› 医師ペディア一覧に戻る