医師のワークスタイル

ヨーロッパで心臓外科医やってます(7)

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ドイツでのコロナ感染症患者の増加はピークアウトし、3月中旬から行われていた接触制限も徐々に解除されていく方針となりました。街はまだ緊張感は残っているものの、ちょっぴりはしゃいだ空気を感じるようになりました。ただ、行政側は引き続き強い危機感を持っていて、これからやってくる第二波に対する準備を始めている様です。

さて、世界中から移民が集まってくるドイツですが、就労ビザを取得するためにはドイツ語の力が十分にあることを証明しなくてはなりません。以前も書いたとおり、語学学校が主催するテストGoetheもしくはTelcのB2レベルに合格することが必須となります。

B2受験へ

語学学校に通って5ヶ月目、いよいよB2を受験することにしました。相談した先生からは「受験料をドブに捨てるだけだ」と強く止められました。実際、クラスでも全然話せていなかったし、他の先生でもきっとそう言ったと思います。

でもまあ、政府公認であろうがなかろうが、そこは所詮、試験なわけですし。探せば絶対に何かしらの対策は立てられるに違いないと思い、語学学校の図書館に置いてあった模擬試験の本を片っ端から読み漁りました。


このような模擬試験形式の教科書が多数売られています。
日本でもAmazonで検索すればたくさん出てくるようです。

試験はLesen(読む)、Hören(聴く)、Schreiben(書く)、Sprechen(話す)の4つのパートに分かれます。そしてLesen、Schreiben、Hörenの合計で6割以上、Sprechenで6割以上の2つの条件を満たせば合格です。

LesenとHörenは選択問題が主となります。そこで、よくある受験テクニックのように「問題文から先に読む」とか「あまりにハッキリ聞き取れたら引っかけだ」とかでなんとか対応して、あとは運を天に任せることにしました。

Schreibenはかなりのクセもので、ネイティブ並みにドイツ語をベラベラ話すクラスメイトですら「Schreibenだけがどうにもならん」と何度か落ちていました。試験は短めのエッセイのようなものを読まされ、それに対して賛成か反対かの意見を180語で述べる形式だったので、「何を聞かれても賛成と答える」と決め、エッセイの内容に関係なく、一見意見を述べているようで実は何も言っていない、そんな文章を120語くらいで作っておくことにしました。つまり「私はこの著者の意見に強く感銘を受けた。これは現代社会における普遍的な問題が含まれているといえる」みたいな感じで、あとはエッセイを適当にまとめて終了、という作戦です。

最大の問題はSprechenでした。ミュンヘンの語学学校では試験は毎月行われていましたが、毎回はるばる日本から7~8人の受験者が来ていたそうです。(そのほとんどは音楽関連の学生さんたちでした。ドイツの音楽学校に留学するにもドイツ語の検定を受けなければならないそうです。)

先生は「日本人はテストなのにほとんど喋らない人が多い。わざわざドイツまで来たのにもったいない」と不思議そうにしていました。まあ、やつらには分からないわけですよ。「照れくさい」とか「自信がない」とか、そういう繊細で奥ゆかしい感情が渦巻いとるっちゅーねん、こっちは。

とはいえ、話さなければ合格できないのも事実ですので、SprechenでもSchreibenと同じ手法をとることにしました。受験者同士でディスカッションするのですが、もう「作った定型文以外は話さない。基本は相手に賛同する」に徹するのです。

「あなたの意見は本当にすばらしい。私は概ね同意する。」「それは環境問題に置き換えても同じことが言える。何事もやり過ぎはよくないと思う。」「なるほど。それはいいね。どうぞ、続けて」という感じです。あえて相手に主導権を握らせ、とにかく相槌で乗り切きる作戦です。もし相手もあまり喋らない人だったら、今回はしょうがないと諦めるつもりでした。

こうして到底十分とはいえない準備を済ませ、試験に挑むことにしました。

››› 続きは次回で(2020年6月掲載予定)

<プロフィール>

安 健太(あん・けんた)
カールスブルグ心臓糖尿病センター
心臓血管外科 医師

2004年滋賀医科大学卒業。現在ドイツで医師免許取得し、心臓外科医として働いています。空手三段。学生時代に世界大会・アジア大会に出場経験あり。東京五輪で空手が正式種目となりました。あと16年早かったらな…と思いつつ、遠くドイツからオリンピックの成功を願っています。


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