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「週刊北原」vol.3 ー4月、始まりの月?ー

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米国イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓外科医として働いている北原大翔と申します。

この企画は、日本で育ち日本で心臓外科医としての研修を受けた僕が、米国での臨床留学中に経験する医療や教育の違い、心臓外科医として、この1週間に対応した症例、手術室で起こる日本ではありえない出来事などを、真面目かつ可能な限りリアルな形で伝えることを目的としています。

今週の症例数

症例 Apr.
1 2 3 4 5 6 7
Sun. Mon. Tue. Wed. Thu. Fri. Sat.
CABG
冠動脈バイパス手術
  1          
HTx
心臓移植
    1     1  
MCS
機械式循環補助関連
  1   1 1    


4月、始まりの月?

4月というと日本では年度の始まりで新しいこと、新しい職場、新しい出会いが始まる月だと思います。ところがアメリカでは、学校などが7月から始まるサイクルになっているため、4月には特に大きな変化はありません。また、桜が咲くことも無いので特に「4月だな~」感を味わうこともありません。なんなら4月なのにこの前、雪が降ったりもしていました。寒いです。そんな感じで特に大きな変化なく、何となく4月が始まりました。

唯一胸を躍らせたのは、心臓麻酔担当にアシュリー(東欧出身できれいなレジデント)が配属されたことくらいです。麻酔科のレジデントは2-3ヶ月周期で配属される部署が変わるみたいで、心臓外科とは心臓手術かICUを回っている時に絡む機会があります。

麻酔科に限らず米国レジデントの特徴は、たとえそこに配属された初日であったとしても、自信満々に「オッケー、わかった。まかせて」みたいなことを自信満々かつ、あの彫り深い妙に説得力のある顔で言い放つところです。しかし「お、こいつできるのかな」と思い任せると、とんでもなく何もわかってなかったリすることがよくあります。日本でたまに見かける(僕もそうでしたが)「全然何もわかんないっす、すいません、なんかすいません」感をだしてるやつはいません。文化ですね。基本的にやつらの言うことは信じないようにすることで問題は解決しました。

今週のトピックランキング身近に起きた出来事をランキング形式でお伝えします。

メディカルイラストレーターとの出会い

イラストの重要性が認知されてきているみたいで、論文でGraphical abstractを要求してくるところもあります。僕も医療イラストを作成する必要があったため、メディカルイラストレータを探したところ、米国では割と数が多いのですが、日本では凄く少ないという事実を知りました。それでも外国人と打ち合わせをして、僕の求めるイラストが作れるとは到底思えなかったので、日本人にお願いしました。打ち合わせはskypeで行ったのですが、話しながらPhotoshopを使ってイメージ図を作成してくれて、見ていて大変面白かったです。ただ、むこうはイラストのプロなので「ちょっとここ、こんな感じにしてください」とか「その冠動脈の位置、ちょっと違うんです」みたいなことを言うのに非常に気を使いました。「こっちはプロだから、素人のお兄ちゃんは黙ってて」みたいに言われたらつらいので。ちなみに米国ではジョンズ・ホプキンズ大学がメディカルイラストレータの教育で有名で、専門の学科とかがちゃんとあるみたいです。

ハートトランスプラントを祝う会@科学科学博物館

心臓移植が始まって50年ということで、シカゴ大学主催で心臓移植を祝う会が行われました。場所はシカゴ大学の近くにある科学産業博物館というわりとでかい建物を貸し切っていました。日本でいうところの浅草花やしきを貸しきって結婚式の2次会をする、みたいなノリなんだと思います。

医療関係者以外にも実際に移植を受けた患者、あるいはドナーの家族なども参加する盛大なものでした。ドナーの家族とその心臓をもらったレシピエントが対談する感動的な催しもありました。一番印象に残っているのは、あるアマチュアピアニストの話です。彼は心臓移植待機中、院内のロビーにあるピアノを毎日のように演奏していたみたいです。それは移植直前まで行われ、移植後もすぐにピアノを弾きにロビーに向かったということでした。紹介されると彼は壇上に上がりピアノを演奏していきました。その美しい音色に皆酔いしれ、楽しいひと時を過ごしました。割と長い時間ピアノを演奏し終わった後、じゃあまあここらへんで、といった感じの空気が流れたのですが、彼は演奏をやめませんでした。あまりに長く続くもんだから、司会してた心臓外科のチーフが「じゃ、まあ、ありがとう、はい」みたいな感じで半ば強引にハグして強制終了させていました。あ、こういう感じ米国でもあるんだ、と思いました。

英語の補習を受けさせられる

米国に来てから2年が経とうとしていますが、英語力の伸びなさには評判があります。特に心臓外科のチーフ(ジバナンダム、インド出身)との英語の相性は悪く、僕の英語が全く通用しないどころか嫌悪感すら抱かれている印象です。もう我慢の限界に達したのか、先日チーフから直接「お前は英語の授業を受ける必要がある、これは発音とかそういう問題ではなく英語をコミュニケーションとして使うための特訓が必要ということだ」といわれ、4月からシカゴ大学に勉強に来ている学生と一緒に英語の授業を受けることになりました。「僕も2年米国で臨床をしてきたわけだし、いっちょかましてやりますか」と思っていましたが、驚くべきことに生徒はほとんどが僕より喋れる人達ばかりでした。今の僕の目標は自分より英語が話せないやつを見つけ、そいつを見ることで自分のこの2年間が無駄ではなかった、と自分を納得させることです。

Q&Aコーナー弊社に届く質問に北原先生の見解で回答してもらいます。

Q:なぜアメリカに臨床留学しようと思ったのですか?

A:英語が喋れるとかっこいいかな、と思いました。心臓外科として修練ができるところであればどこでもよかった説もあります。

Q:シカゴ大学とのコネクションは?

A:特にありませんでした。たまたまシカゴ大学で働いている上司(太田先生)が日本人のフェローを探しており、知り合いの知り合い経由で話が舞い降りて来た感じです。ラッキーでした。

Q:日本との違いを一言で表すと?

A:自由、というかあんまりみんな人のこと気にしていないこと。

北原 大翔

1983年東京生まれ。2008年慶應義塾大学医学部卒業。モテるために心臓外科になりアメリカ留学を目指し、2016年より単身渡米。現在イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓胸部外科医として働く。独身彼女なし。NPO法人 Team WADA(医師の海外留学情報を発信する団体)で留学ブログを担当。

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