海外

「週刊北原」vol.4 ーレジデントの教育ー

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米国イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓外科医として働いている北原大翔と申します。

この企画は、日本で育ち日本で心臓外科医としての研修を受けた僕が、米国での臨床留学中に経験する医療や教育の違い、心臓外科医として、この1週間に対応した症例、手術室で起こる日本ではありえない出来事などを、真面目かつ可能な限りリアルな形で伝えることを目的としています。

シカゴの街並み

今週の症例数

症例 Apr.
8 9 10 11 12 13 14
Sun. Mon. Tue. Wed. Thu. Fri. Sat.
CABG
冠動脈バイパス手術
  1          
MVR(Robot)
ロボット僧帽弁手術
  1   1 1    
Aortic
大動脈手術
    1 1      
MICS AVR
小切開大動脈弁手術
          1  


レジデントの教育

現在心臓外科を回っているレジデントはアンドリューというカナダ出身のイケメンです。彼は3月から回り始めた心臓外科1年目ながらかなり優秀で、手術の助手などしてもらうときは非常に助かっています。先日チーフの心臓移植に一緒に入る機会があったのですが、彼が心臓を摘出し、僕が植えるという布陣で臨みました。米国ではアテンディング、いわゆるスタッフ外科医が助手側にたって手術をコントロールし、レジデントやフェローに手術をやらせるのが基本的なスタンスみたいです。

意気揚々と手術をはじめようとするアンドリューでしたが、開始早々「それは俺のやり方と違う」「この1ヶ月何を見てきたんだ」とチーフからのダメ出しの連発でした。心臓外科をはじめて1ヶ月のレジデントには確かにハードルが高い話ではありますが(日本では1ヶ月目のレジデントが心臓を摘出するなどはありえない)、見て手技を覚えるという点に関しては日本で修練を積んでいるレジデントのほうが優秀かなという印象があります。

ダメ出しされつつも決して術者交代となることはなく、最終的にはアンドリューも「もう許して、術者交代してください」感すらでていましたが、心臓摘出までやっていました。非常に勉強になったことと思います。続いて心臓植込みに移ったので僕が術者の位置に立ちました。「まぁ、医者10年目の違いをアンドリューに見せてやりますか」と思った矢先、「おい、それ違うだろ」とダメ出しされました。

今週のトピックランキング身近に起きた出来事をランキング形式でお伝えします。

マンションからの撤退命令

マンションからの撤退命令

金曜日、家に帰ると扉に一枚の紙が挟まっていました。何かと思い開いてみると、Notice of termination of tenancy、すなわち「もう出て行ってください」通告でした。内容を見てみると、どうやら何度かにわたり家の中を視察されていたみたいで、ゴミの処分がうまくいっていない、とか水まわりが汚いとかでそのたびに注意が出ていたみたいなのです。
普段あまり郵便ポストをみない性格であり、その事態に気づいていなかった、というかおそらく見ていたけど気にしていなかったため、向こうもついに本気になってきた、という感じでした。慌てて部屋を掃除して大家さんのところに行きましたが、今日は担当がお休みということで、来週の月曜に話をさせてもらうことになりました。来週には追い出されるかもしれません。気をつけないといけないですね。

なんかエクモあがりの人たちのテンション高め

機械式補助循環を主に扱うフェローとしてシカゴ大学に雇われているため、エクモいわゆる簡易版人工心肺みたいなものが必要な患者をみる機会が多いです。

先日別の手術中に、緊急でエクモ患者が搬送され、搬送中にエクモの管がすっぽ抜けたとかで大変な騒ぎになっていると聞きました。手術が終わりエクモ部屋にいくと、そこにいた人たちはなぜかテンション高めで、いかにすさまじいことが起こったのか、皆で僕に伝えてきました。「ヒロ、胸を開けて直接心臓をマッサージしていたんだ、1時間も」「ヒロ、なんでここにいなかったんだよ、ヘーイ」と。おそらくアドレナリンが出まくってしまった結果なんだと思いますが、なんだか怖かったです。たぶん僕もこういう時あるんだろうな、と思いました。

日本の血管外科医の人たちと飯会

ディナー

日本からシカゴ大学の血管外科に見学に来ている人たちと食事会をしました。同様の見学ツアーで前回は慶應時代の先輩が来ていて、一緒にランチなどを楽しみました。今回はディナーでしたが、基本的に知らない人ばかりなので特に話すこともなく、黙々とメキシカン料理をいただきました。味はまあまあでした。

デザートのケーキ

シカゴ大学の血管外科医であるロスミルナーが幹事でしたが、10人以上の日本人vs1人、みたいな構図だったのでなかなかつらそうでした。お腹いっぱい食べたところでいかにもまずそうなデザートのケーキがでてきましたが、その上にハエが止まっていました。しばらく眺めているとハエはどこかに飛んでいきましたが、食べるのはやめました。

北原 大翔

1983年東京生まれ。2008年慶應義塾大学医学部卒業。モテるために心臓外科になりアメリカ留学を目指し、2016年より単身渡米。現在イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓胸部外科医として働く。独身彼女なし。NPO法人 Team WADA(医師の海外留学情報を発信する団体)で留学ブログを担当。

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