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「週刊北原」vol.5 ー人造人間的発想で命を守るMCS(機械式循環補助)とはー

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シカゴの街並み

米国イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓外科医として働いている北原大翔と申します。

この企画は、日本で育ち日本で心臓外科医としての研修を受けた僕が、米国での臨床留学中に経験する医療や教育の違い、心臓外科医として、この1週間に対応した症例、手術室で起こる日本ではありえない出来事などを、真面目かつ可能な限りリアルな形で伝えることを目的としています。

今週の症例数

症例 Apr.
15 16 17 18 19 20 21
Sun. Mon. Tue. Wed. Thu. Fri. Sat.
Robot ablation
ロボット不整脈手術
    1        
HTx
心臓移植
  1         1
MCS
機械式循環補助
      2      
LVAD
補助人工心臓植え込み
        1    
TVR
三尖弁手術
          1  


人造人間的発想で命を守るMCS(機械式循環補助)とは

手術の様子

もともと僕は心臓移植とMCS、いわゆる機械式補助循環を専門に勉強するフェローと言う形で雇われています。今では他のこともやっているのですが、優先順位的にはこれらが一番になります。MCSは心臓や肺が非常に悪くなった人に対して、一時的、もしくは永続的に機械を用いてサポートする治療の総称で、具体的にはIABP(血管の中に風船を入れて膨らませることで心臓のポンプ機能を助ける)から始まり、ECMO(血管の中に管を突っ込んで血液を回収し、体の外にあるポンプを使って勢いをつけて体の中に戻すことで心臓のポンプ機能を補助する)、植え込み型VAD(補助人工心臓、体の中にポンプを植え込んでしまう)、最近だとインペラなんかがあります。インペラは経皮的に太い管を大動脈弁を介して心臓の中にまで突っ込んで、管の中にあるスクリューを介して心臓内の血液を体に送り出すという仕組みをしていて、手術が必要ないので循環器内科が好んで使っています。

人間の体と機械を繋いで生命を助けるという近未来的な発想はとても斬新ですが、これらの治療には大きな欠点、というか医療側から毛嫌いされる部分があります。それは患者の状態が急変した際に用いられるため、緊急で治療が必要になること(映画とか見てる途中で呼び出されます)、治療法がまだ完全とは言えず、また、もともとの状態が極悪なので、機械につないだあとも状態があまり良くならないことなどです。MCSに関わる職は心臓外科の中でもいわゆる修業の部類に入ります。ただ、移植、MCSを知ることで、今まで知らなかった心臓の解剖や生理が非常にはっきりと見えてきたような気がします。特にECMOの入れ方や管理の仕方など、嫌というほど仕込まれたので、やりたくないですけど、豊富な知識を得ることができました。やりたくないですけど。

今週のトピックランキング身近に起きた出来事をランキング形式でお伝えします。

タックスリターンがもう嫌

年に一度の最も嫌な日が来てしまいました。タックスリターン、いわゆる日本で言うところの確定申告の締切日です(毎年4月15日)。日本にいる時ですら税金の仕組みなど全く分からなかった僕が、米国の税金のシステムを理解できるわけもなく、なんかよくわからないインストラクションを見ながら必死になって必要書類を作成しました。
昨年もやっているはずなのですが、もちろん一年経ったら完全に忘れているのです。来年のために何か資料を残そう、となぜ思えなかったのか昨年の自分を恨み、そして全てを終えた後に疲れ切ると、あ、もう来年の自分とかどうでもいいや、と思い去年の自分の愚かさを許しました。
来年は会計士に頼もう。

なんとかマンション退去を回避

先週の金曜日にマンション退去を言い渡されたため、週明けの月曜に慌ててマネージャーのところに話にいきました。「あー今ちょうどいないのよね」を3回くらい繰り返され、最終的にはマネージャーから直接電話がかかってきました(最初からそうしてよと思うのですが)。もういきなり謝って許してもらおう作戦を考えていたのですが、マネージャーはなんの感情もなく「また10日後に調査するから、そん時オッケーだったらいいわよ」と言っていました。結構許してくれるんだな、と思いました。
とりあえず週末にこれでもか、というくらい部屋を綺麗にする予定です。

HIROZANEとの飯

シカゴで癌の凄く大きな学会が開かれてたみたいで(マコーミックプレイスという最も大きな学会場を使っていました)、発表のため来ていた大学同期のHIROZANE君とダウンタウンで食事をしました。彼は今、慶應大学で整形外科のスタッフとして働いているみたいです。シカゴで僕が最も好きなステーキハウスであるRPM Steakに行きましたが、おっさん2人で行くには少しオシャレすぎた雰囲気で、周りからは少し怪しまれていたと思います。
彼は子供とか家族の話をしてしたいたのに対して、僕はブログが忙しいとか飯はレンジでチンしてつくってるとかの話しかなく、人生こうも違うものかとしみじみしました。「次に日本に帰るときは嫁さんを探しに行くときだ」と真剣に言い放ったら、HIROZANE君は笑っていましたが、なんだかとても悲しそうな目をしていました。

北原 大翔

1983年東京生まれ。2008年慶應義塾大学医学部卒業。モテるために心臓外科になりアメリカ留学を目指し、2016年より単身渡米。現在イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓胸部外科医として働く。独身彼女なし。NPO法人 Team WADA(医師の海外留学情報を発信する団体)で留学ブログを担当。

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