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「週刊北原」vol.10 ー再開胸止血術について思うー

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シカゴの街並み

米国イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓外科医として働いている北原大翔と申します。

この企画は、日本で育ち日本で心臓外科医としての研修を受けた僕が、米国での臨床留学中に経験する医療や教育の違い、心臓外科医として、この1週間に対応した症例、手術室で起こる日本ではありえない出来事などを、真面目かつ可能な限りリアルな形で伝えることを目的としています。

今週の症例数

症例 May.
20 21 22 23 24 25 26
Sun. Mon. Tue. Wed. Thu. Fri. Sat.
robot CABG
ロボット冠動脈手術
  1          
LVAD
補助人工心臓植え込み
    1 1      
robot AVR
ロボット大動脈弁手術
      1      
MVR
僧帽弁手術
        1    
Congenital
先天性(大人)手術
          1  


再開胸止血術について思う

先々週の週刊北原で再開胸止血術についてちらっと触れたので、今回はそれについて書きたいと思いました。再開胸止血術は心臓外科医なら誰もが一度ならず何度か経験したことのある非常に不名誉な手術です(一度もない人もいるかもしれませんが)。この手術は、術後ドレーンから血がずんずん出続けているような場合に再度手術室につれていって出血を止めるというものです。一般的には出血量が時間100mlなら様子見、200mlだとおや?、300mlはちょっとオペ室戻ろかなぁ、400ml以上ならもうすぐオペ室行きましょ、といった感じだと思います。再開胸の原因はいろいろとあります。もちろん心臓の手術自体、ヘパリンを使ったり、温度を冷やしたりと出血しやすい状況になるものなのですが、メインの原因は術者の力量・注意力不足、そして「まあこれなら大丈夫かなぁ」といった謎のゆるさにあるのだと思います。こういったゆるさは僕も含めた少しだけ心臓外科やってきました、という若手レジデントに多く見られる傾向があるのだと思います。

これは技術の問題というより、術者のマインドの問題が大きく影響を与えているのだと思います。僕はいい師にめぐりあい彼の教育を受けたので、このマインドの部分を大きく矯正してもらえましたが、一緒に働くアメリカのレジデントなどはそういった教えを受けておらず、わからない人は何度やっても同じように再開胸を繰り返していました。自分で考え何が悪かったか、次にどうすればいいかなどを導き出すことができる人は少ない印象です。レジデントの中には「俺はそこにいたが一緒にベテランのPA(手術の助手)もいたし、胸を閉めたのはPAだ」みたいなことを言う輩がいますが、かなりダサいです。


今週のトピックランキング身近に起きた出来事をランキング形式でお伝えします。

ついに僕も仲間入り

先日4東病棟(心臓外科のICU)のチームジャケットみたいなのを着ているエクモスペシャリストのアパーシャ(エクモを扱う人達、後日また説明します)がいました。なんか羨ましかったので「いいなぁ」と物欲しそうにしていると、「ヒロ、私に任せておいて」と言ってどこかに消えていきました。後日病棟を歩いているとアパーシャが近づいてきて「これ、欲しがってたものゲットしたわよ」とジャケットみたいなのをもらいました。嬉しかったです。そのまま病棟を回って歩きましたが、「へい、いいジャケットだな、置いといたら俺が取っちゃうぜ」とか「盗まれたら大変だから中に名前書いときなさい」など色々と声をかけてもらいうれしかったです。あまりに皆ジャケットにふれてくれるので、意味もなく病棟3周くらいしました。最後に麻酔科レジデントのアシュリー(かわいい)にも意味なく会いに行きましたが特に何も言ってはくれませんでした。いずれにしろ僕もようやく病棟の仲間になれました。

そういえばつしまくんの身に大変なことがおきていたらしい

現在シカゴ大学の心臓外科には東京大学から一ヶ月間病院実習でTSUSHIMAくんという学生が来ています。彼のアドバイスのおかげで僕が手がけるプロジェクトや公開しているfacebookなどが驚くほど進化しており、年齢のギャップを通り越して僕の良きアドバイザーになってもらっています。そのTSUSHIMAくんが先週、シカゴ大学の周辺で3人組の悪ガキに絡まれて現金とかタブレットとかを奪われてしまったみたいです。TSUSHIMAくんに怪我などはなかったですが、怖い話でした。


ハーパーシアターでの厳重な持ち物検査

アメリカに来てから映画館で映画を観ることが多くなりました。僕は映画はもちろん好きなのですが、一番は映画館にいることが好きで、特に映画館の席に座りながらマクドナルドとかを食べるのがとても好きなんです。先日”ハーパーシアター”という近所にある映画館に行ったところ、いつものようにマックを途中で購入し持ち込もうとしたら「マックは持ち込みダメよ」と止められてしまいました。悔しかったのでその次に行った時はマックの袋をリュックの中に、ドリンクはリュックのサイドポケットに収納し乗り込みました。入り口はなんとか通り抜けたのですが、中の係りの人にサイドポケットのドリンクについて指摘され「リュックの中を開けて見せてみろ、あ、これマックじゃないか、ダメだろ」と怒られてしまいました。ハーパーシアターにおけるマックの取り締まりは非常に厳重です。

北原 大翔

1983年東京生まれ。2008年慶應義塾大学医学部卒業。モテるために心臓外科になりアメリカ留学を目指し、2016年より単身渡米。現在イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓胸部外科医として働く。独身彼女なし。NPO法人 Team WADA(医師の海外留学情報を発信する団体)で留学ブログを担当。

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