海外

「週刊北原」vol.22 ー心臓外科の夏の催しのため帰国ー

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シカゴ市街の夜

米国イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓外科医として働いている北原大翔と申します。

この企画は、日本で育ち日本で心臓外科医としての研修を受けた僕が、米国での臨床留学中に経験する医療や教育の違い、心臓外科医として、この1週間に対応した症例、手術室で起こる日本ではありえない出来事などを、真面目かつ可能な限りリアルな形で伝えることを目的としています。

今週の症例数

症例 August
12 13 14 15 16 17 18
Sun. Mon. Tue. Wed. Thu. Fri. Sat.
LVAD
補助人工心臓植え込み術
  1   心臓外科サマースクールでの講演のため、一時帰国
HTx
心臓移植
    1
LTx
肺移植
    1


心臓外科の夏の催しのため帰国

合宿の様子

毎年夏に行われている心臓外科の夏の催しに参加するため、一時帰国しています。その催しとは100人くらいの学生・研修医が2日間かけて心臓外科とは何かを学ぶ合宿で、毎年結構人気みたいです。日中は心臓外科に関する講義や実習、夜は懇親会といった感じのスケジュールでした。懇親会中、ぼけっと寿司なんかを食べていると留学に興味ある学生や研修医からたくさん声をかけていただきました。若いうちから積極的に頑張っているな、と驚いたと同時に、彼らの役に立つ情報を与えてあげるには自分では役不足感否めないな、と冷静に自己評価していました。もちろん質問などには答えてあげたいのですが、対多数に対しての対応の仕方を心得ておらず、非常に苦戦しました。

しかしながら、真剣に話を聞きに来ている学生相手に「僕はあまり深いこと考えてないんだよね、この寿司美味しいね」とか話をずらすのも失礼かと思い、必死に色々と考えて話をしました。ただ、あんまり話を長くすると「あれ、この人結構浅い」と勘づかれてしまう危険性があり、いい感じのところで「まぁ、じゃあ、あとはとにかく頑張って」とごまかしたりしました。こういった時にどういう風に対応してあげるのが意識高い系若い人に対していいのか、また新しい課題ができました。


今週のトピックランキング身近に起きた出来事をランキング形式でお伝えします。

発表は必ず制限時間内に行わなければならない

心臓外科夏の催しの企画でアメリカ留学について30分ほどの講演を行いました。シカゴ大学の上司である太田先生にも無理を言って会場まで来てもらい、一緒に発表を行いました。今回の講演は開催者側からの依頼があったわけではなく、こちらから連絡して「やらせてください」と言って実現した企画であったので、シカゴからの航空券代などはすべて自腹でした。かなり痛いです。

講演中の様子

講演の目的は学生や研修医へ向けて留学にちょっと役立つ情報を与えることと、留学支援や心臓外科のキャリア相談を担う団体である「NPO法人 Team WADA」を紹介することでありました。Team WADAの紹介のため、参加者全員分のTシャツを用意し(130枚、アメリカから持ってくるのにスーツケース1.5個分丸々埋まりました)講演中に配りました。事前に発表の準備・練習などしていたのですが、太田先生との掛け合いなどが講演中に追加されたりしたため、予定発表時間を少しオーバーしてしまい、司会の人から途中で中断されてしまいました。厳密には僕の前の発表が少し時間オーバーしており、開始時間がすでに遅い状態でのスタートであったので、そこまで延長したわけではなかったのですが、のちに計測すると発表時間は35分で、結果として5分ほどオーバーしていました。

制限時間内に発表を終えることが最も大事であること、かつタイムキーパー(この場合司会)に正確に自分の持ち時間をアピールし、かつ保護してもらうよう務めることが大事であると学びました(今回の場合、前の発表が時間オーバーしていたため発表開始時間が遅かった。しかしながら司会は全体の時間配分のみを見ていたため、僕が実際には25分くらいしか発表していない段階でもう時間オーバーしています、という警告を出していました。この場合事前に「僕は30分の時間をいただいているので、今から30分後の○時○分まで発表させてもらいます」などと最初に言うくらいの余裕が欲しい)。いずれにしろ講演全体の点数は56点くらいでした。学ぶこと多しです。

兄貴との真剣な話し合い

夜通し行われた心臓移植が終わり、朝から病棟でエクモを入れたりしながらその後に行われる肺移植を待っていると、兄貴分の若手アテンディングであるテイから「ちょっと話があるから昼飯行こうぜ」と誘われました。

どうやら僕が今後どこへ就職したらいいかを真剣に話し合いたいとのことでした。僕は現在テイがやらなくてはいけない仕事の大部分を手伝っているため、テイからしたら僕がいなくなったら自分が相当きつくなるので、シカゴ大学のいいことを言ってここに残るように促す話をすると思っていました。

ところがテイは「ヒロに残ってもらうことは自分としては非常に助かるが、こういったことは僕の主観ではなく、客観的に判断しなくてはいけないと思っているんだ。そういった意味ではシカゴ大学に残らない選択をした方がいいんじゃないかと思っている。もちろんここに残ったらあんなオプションやこんなオプションがあるが。。。」と話し始めました。結構衝撃でした。その助言が正しいかどうかは別として、最も関わりのあるテイが客観的な意見を真摯にぶつけてくれたことがとても嬉しかったです。

なんだかとてもかっこよく見えました。話し合い後、テイは「このあと午後に肺移植もあるし、俺はちょっと仮眠でもとるわ。ヒロも心臓移植で寝てないんだからしっかり仮眠をとっておけよ」と言って去って行きました。かっこよかったのですが、テイは心臓移植入っていないから別に仮眠とる必要ないのでは、と思いました。

クリスチャン病院からのオファー

先月、就職面接に行っていたクリスチャン病院(ワシントン大学の関連病院)から仕事のオファーが来ました。病院のボスから直接電話がかかってきて仕事の内容や給料に関しての話をしました。その人に直接話してはいなかったのですが、僕がワシントンDCの病院にもインタビューを受けに行っていることを知っていたようで、今すぐに決めろとは言わないけど早めに決めてもらえると助かる、と言っていました。

とりあえずワシントンDCの話がどうなるか待ってから返事しようと思っています。今の所シカゴ大学に残るかクリスチャン病院に就職するか、いずれにしろアメリカでしばらく働けることができてよかったと思っています。

北原 大翔

1983年東京生まれ。2008年慶應義塾大学医学部卒業。モテるために心臓外科になりアメリカ留学を目指し、2016年より単身渡米。現在イリノイ州にあるシカゴ大学で心臓胸部外科医として働く。独身彼女なし。NPO法人 Team WADA(医師の海外留学情報を発信する団体)で留学ブログを担当。

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