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開業医は勤務医より、収入もメリットも大きい!?

厚生労働省によるデータでは、開業医の年収は勤務医と比べ約2倍も多く、高収入を得るなら勤務医より断然、開業医という結果が出ています。

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■「診療所・クリニック」における勤務医の特徴

開業をする魅力は、なんといっても高い収入が得られることです。

開業医の平均年収 2,887 万円(月約240万円)
病院勤務医の平均年収 1,456 万円(月約121万円)

※診療所院長(開業医)は個人・医療法人を含む開業医全体の平均年収

ただし、開業医は勤務医と異なり、収入の全てを自分の好きなように使えるものではありません。
厚生労働省の【「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について】では、開業医の収支差額について下記のように述べています。

[ 開業医になると収入面以外に勤務医にはないメリットが! ]

自分の理想とする医療を実現することができる

命令されることがなく、自分の裁量で仕事ができる

自分の都合で休診日を設定でき、プライベートの時間もとりやすい

住民との距離が近く、地域医療への貢献を実感することができる

医局などの外的要因に縛られることがない

経営者として経営面にも精通することができる など

[ 開業医(個人)の収支差額で賄っている費用 ]

診療所を建築するために借り入れた借金(元本)の返済

診療所の老朽化に備えた建て替えや修繕のための準備金

病気やけがにより休業した場合の所得補償のための費用(休業した場合に収入は激減)

老後のための退職金相当の積立て(サラリーマンのような退職金はない)

といったものが含まれるものであり、勤務医の「給与」とは内容や性質が異なるものである。このように、開業医は経費などの支出も多く、経営者という立場での労力も必要となります。それでも、勤務医のように収入が頭打ちになることはなく大きな収入を期待することができるため、開業医になるメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

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開業を成功させるポイント

無事に開業できたとしても、その後、金銭面で苦労したり、人材に恵まれず日々の業務が上手くいかなかったり、予想に反して患者が集まらなかったら…。
そうしたリスクを回避するために、開業を成功させるポイントをいくつか紹介します。

■ 準備期間はできるだけ長く

開業に向けて必要な準備や手続きは非常に多く、普段の医師業と並行して行う必要もあるため、数カ月という短期間で準備を行うには無理が生じます。無理をすると、余分な支出の増加や、理想にばかり目がいってしまい健全な判断ができないことも起こり得ます。自分の思い描く診療所に適した土地や物件が直ぐに見つかるという保証はなく、また必要な医療機器、集患見込みなどは多様な状況を加味しながら、経営として成り立つのかどうか堅実な判断をしなければなりません。開業を考えているのであれば、最低でも開業の一年前から専門家のアドバイスを受けながら準備することをお勧めします。

■ 手続きは信頼できる専門業者に依頼する

開業準備は普段の医師業と並行して行うため、自分だけでは非常に難しく、ストレスを抱えてしまうことにもなりません。また手続きなどには専門知識も必要となるので、信頼できるコンサルタントを見つけ、各種の申請や手続きに精通した専門家を選定して進めていくことも開業の成功に欠かせない条件です。最近では開業を専門とするコンサルタント会社が数多くあるので、インターネットなどで情報を収集しながら、実際にコンサルタントと対面するなどして、自分に合ったコンサルタントを探すことが重要です。

■ 開業で成功しやすい標榜診療科は?

診療科を標榜する際、医師免許を持っていれば「麻酔科」と「歯科」以外は自由に標榜することができ、例えば内科の専門医が眼科を標榜することも可能です。ただし、儲かりそうだからといって自分の専門外の科目標榜は患者からの信用問題に係るため、大きな危険を有しています。
また、現時点で年収の高い診療科が5年後、10年後も同じであるという保証はありません。儲かるという視点で標榜診療科を選ぶのは自身にとっても患者にとっても危険です。

ただし、一つだけ時代の流れのなかで確実なことがあります。それが「超高齢化社会」への突入であり、国策によって医療保険は超高齢化社会への対応にシフトするなど、今後の医療ニーズをある程度予測することができます。【厚生労働省による平成28年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告】によると、病院における標榜する診療科目別施設数について下記のようなデータが出ています。

[ 標榜する診療科目施設 ]
1位 内科 6,799 施設
2位 リハビリテーション科 5,500 施設
3位 整形外科 4,918 施設
[ 前年と比べて増加している診療科目施設 ]
1位 糖尿病内科(代謝内科) 84 施設
2位 リハビリテーション科 71 施設
3位 整形外科 70 施設

標榜する診療科は「内科」が6,799施設(一般病院総数の92.1%)と最も多く、次いで、「リハビリテーション科」5,500施設(同74.5%)、「整形外科」4,918施設(同66.6%)となっています。
前年と比べて増加しているのは、「糖尿病内科(代謝内科)」(84施設増)、「リハビリテーション科」(71施設増)、「腎臓内科」(70施設増)など。また、精神科病院では、「神経内科」(12施設増)、「心療内科」(12施設増)などが増加している。

上記のデータをみると、日本が直面している超高齢化社会やストレス社会に対応する診療科が増加していることがわかります。
超高齢化社会において診療所・クリニックに求められるのは、病気の早期発見や健康維持のためのアドバイスなど「かかりつけ医」としての役割であり、介護にまで視野を広げた全人的医療を提供できる医師です。幅広い領域を診ることができる「一般外科」や「内科」の専門医であるなら、子どもからお年寄りまで幅広いニーズがあるため安定した経営を期待できますし、2018年にスタートした新たな専門医である「総合診療専門医」はまさにこれからの時代にうってつけの専門領域です。
また、高齢者が増えることで、「整形外科」や「リハビリテーション科」、さらに広い地域に住宅が分散している地方やへき地では在宅医療の担い手が求められており、「訪問診療」は大きなニーズが期待できるでしょう。
ストレス社会により増加している「メンタルヘルス」https://www.medi-gate.jp/site/Occupational_physician/)、こころの病に対応する「精神科」https://www.medi-gate.jp/site/Mental_health/)や「心療内科」もニーズの高まりが期待できます。

標榜診療科は決して“儲かるから”という発想ではなく、基本的に自分の専門である得意領域プラス、専門に関連した診療科もある程度幅広く診ることができる標榜が望ましいでしょう。開業を考えている医師は、これからの医療ニーズを見極めながら、計画的にスキルアップのための研鑽を勤務医時代に積むことが大切です。

■ 開業に適した物件や土地環境は?

開業するエリアを決める際、自分が標榜する診療科と同じ診療科、つまり競合が開業予定地域にあるのかないのか、あっても距離的に近いのかどうかなどのリサーチは必須です。競合が少なければ、患者が分散することはなく多くの集患を期待することができます。しかし、駅近で、近所に競合が全くいない優良な物件の場合でも、そのエリアが開業に相応しくないために競合者がいないというパターンもあります。実際に自分で開業予定エリアを歩くなど、あらゆる情報を総合して判断することが重要であり、飲食店と同じように開業においてもマーケティングは必須です。推計患者数や収入を算出し、しっかりと計画を練ったうえで物件を選定しましょう。

開業計画でお困りの方は、新規会員登録後、メディカル・プリンシプル社にお気軽にご相談ください!
https://www.medi-gate.jp/regist/input/

■ 集患を増やすには?

どんなに集患が期待できる場所で開業しても、広告宣伝をして医院の存在を認知させなければ患者は来ません。
集患を増やす広告宣伝として下記の方法があります。

ホームページの作成

リーフレットなどを作成

オンライン広告やSNSの活用

わかりやすい予約システムの導入

PR活動(イベントでの講演、雑誌の寄稿など)

口コミの活用

近隣の医師や医療機関との連携 など

ホームページやリーフレットなどの作成などは、広告に長けた専門業者に依頼すると良いでしょう。また、地域の祭りやイベントなどに積極的に参加し“顔”を売ることも大切です。地域の講演や地域雑誌の寄稿なども住民に“顔”を覚えてもらうために重要な活動であり、集患に繋げることができます。
また、繰り返して来院していただける患者維持も開業を成功させるために重要なポイントです。そのためには、「何でも相談できる先生」と認識してもらうことも重要であり、患者としっかりコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが大切です。

■ 開業費用を抑える、医院継承という方法

開業には、継承開業という方法もあります。継承開業は、もともとある医院を院長の引退により引き継ぐ方法で、開業費用が安く済む(金銭的リスクが少ない)という大きなメリットがあります。また、地方やへき地の医院では院長が高齢によって廃業することが多いため、第三者による継承開業によって医院が継続できることは、地域医療への大きな貢献にもなります。

開業費用のご相談は、新規会員登録後、メディカル・プリンシプル社にお気軽にご相談ください!
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「開業」するために必要な手続き

■ 開業に必要な主な手続き

1物件探しと賃貸借契約2必要設備の選定・準備3開業資金の調達4看護師やスタッフのリクルーティング5医師会への報告と加入6諸官庁に対する手続きなど

POINT❶物件探しと賃貸借契約について

どのような立地で、どのような物件で開業するかは開業の成否に大きく影響するため、立地や建物の形態、値段、賃料などを考慮しながら、充分な時間をかけて開業に最適な立地や物件を探しましょう。開業予定日まで何カ月もの時間があるにも関わらず、最適な物件を見つけた時点で即契約を結ぶ方もいるほど、物件選びは開業の成否にとても重要です。最近は開業医向けの不動産会社も多くあり、物件探しから賃貸借契約の締結に関する業務まで一括して依頼することもできます。

POINT❷必要設備の選定・準備

診療に必要な医療機器(電子カルテ、一般撮影装置、エコー、内視鏡、心電計、CRなど)をリストアップし、費用対効果や医療機器のニーズの高さなどを考慮しながら、購入かリースにするかも決める必要があります。さらに待合室などのソファー、診察机や椅子、パソコン、電話やインターネットなどの通信機器、レジスター、タイムカードなどの什器備品も必要です。余分な経費が掛らないようにするためにも、開業に必要な機器や備品を取り扱っている専門の会社などからアドバイスを受けるなどして、しっかり選定する必要があります。

POINT❸開業資金の調達について

物件の契約、設備、医療機器、什器備品の購入、さらにスタッフの人件費や当面の運転資金、広告宣伝費など、開業するには何千万円という大きな資金が必要となってきます。よって多くの開業医が自己資金プラス、金融機関からの融資で資金を調達しており、その際に必要となってくるのが「事業計画書」です。
「事業計画書」は開業に必要な資金に対して、集患数や収益などを予想し、収支や将来にわたる経営の安定性を金融機関が見極め、融資の可否を決める大きなポイントとなってきます。金融機関の審査は非常にシビアであるため、「事業計画書」は説得力のある堅実なものを作成する必要があります。開業支援を専門とする税理士やコンサルタントに依頼するといいでしょう。

POINT❹看護師やスタッフのリクルーティングについて

開業医は看護師などのスタッフを雇う経営者でもあり、優秀な人材を確保するリクルーティングも大きな仕事です。リクルーティングは知人からの紹介、ハローワーク、求人募集のメディア、人材紹介・派遣を利用する方法などがあります。
募集の際は雇用条件項目(勤務時間、休日、給与・時給、職務内容、雇入れ日、通勤手当、健康保険・年金等の種類、賞与の支給、昇給時期など)を設定して求人内容を決定し、さらに連絡や面接時間の設定、面接会場などを準備する必要があります。雇用や社会保険関係は専門的な分野であるため、医療経営に精通したコンサルタントや社会保険労務士に相談、依頼するのがベストでしょう。

POINT❺医師会への報告と加入について

開業する場合、その地域の医師会に入会するかどうかという問題があります。地域によっては開業するにあたって医師会の開業許可が必要となる場合もありますし、入会のルールや入会金、広告の出し方なども地域によって異なるので注意が必要です。いずれにしても、円滑な開業をするためには、地域の医師会の状況をしっかり把握することが重要であり、医師会に入会する場合は、なるべく早く会長や役員などへ挨拶に伺うことをお勧めします。

POINT❻諸官庁に対する手続きについて

開業にあたっての手続きには、「開設の許可を得る」手続き、「社会保険関係」の手続き、「税に関する」手続きと、大きく分けて3つの手続きが必要です。

■ “開設の許可を得る”手続きについて

開設の許可を得るためには、開業場所の所轄にある「保健所」や「厚生局」、「市役所」などに開設の届け出を提出しなければなりません。 主な届け出は以下の通りです。

診療所開設届(保健所)

X線備付届(保健所)

保険医療機関指定申請書・施設基準届出書(厚生局)

生保・原爆・感染症等指定申請書(保健所・市役所)

■ “社会保険関係”の手続きについて

社会保険関係では、スタッフの健康保険・厚生年金、労災保険への加入は「年金事務所」、労働保険への加入は「ハローワーク」での手続きが必要となってきます。これらは社会保険労務士によって手続き代行が可能です。

■ “税に関する”手続きについて

税に関する手続きは、税務署へ下記の種類を提出する必要があります。税理士事務所へ手続きの依頼をしておきましょう。

個人事業の開廃業等届出書(事業開始の日から1ヶ月以内)

所得税の青色申告承認申請書(開業の日から2ヶ月以内)

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(開設から1ヶ月以内)

源泉所得税の納期の特例の承認に関する届出書

所得税の棚卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書

青色事業専従者給与に関する届出書(配偶者が働くこととなってから2ヶ月以内)

【 記載データ・記事内容について】
※記載された内容は厚生労働省の資料などを参考にメディゲート編集部がまとめたものです。この記事の内容は下記の資料やデータなどを参照しています。

・厚生労働省 「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/iryouhoushu.html

・厚生労働省 第20回医療経済実態調査の報告(平成27年実施)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/20_houkoku.html

・厚生労働省 平成28年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/16/